◆石川県から届いた「意向確認票」
輪島市町野町から避難し、金沢市内のアパートで暮らす80代女性が、県からの「意向確認票」の黄色い書面に目を落とす。
小さな商店を営んでいた女性は、店を兼ねた自宅で被災。直後は避難所にたどり着けず、帰省していた息子と車中で夜を明かした。1月4日にたんぼ道を抜け、トイレも我慢しながら7時間ほどかけて金沢に避難した。2月上旬にみなし仮設のアパートに入居した。
罹災(りさい)判定は店舗兼自宅が一部損壊で、盆や正月などに寝泊まりに使っていた建物が準半壊。倉庫は半壊で公費解体の要件を満たした。自宅は雨漏りも激しく、修理せずには住めないが、直すかを決断できていない。女性の義理の娘は「直すにも壊すにも数百万円かかる。修理しなければ、(みなし仮設に)いられる期間もわずか。もっと支援が…」と言葉をのみ込んだ。
◆ライフライン途絶の場合、入居期限は復旧まで
みなし仮設住宅は、民間賃貸住宅を仮設住宅とみなし、家賃を自治体が負担する。入居期間は自宅が半壊以上の場合は原則2年間。自宅がある地域で水道などのライフラインが途絶した場合は復旧までとされる。
県は9月末にライフラインが復旧する見込みとし、申請時に「ライフラインの途絶」を理由に入居した約1500世帯に意向確認票を郵送。修理を希望する場合は12月末までに自宅修理を完了させ、完了後に退去できるよう可能な限り努めることを通知した。女性もそのうちの一人だ。
文書には、修理をしなければライフライン復旧に伴い、10月1日以降速やかに退去する必要があると記され、自費居住への切り替えも紹介した。生活再建になかなか踏み出せない人もいる中で、8月20日までに返送するよう求めている。
◆故郷に戻れても交通手段はなし
女性は新生活に徐々に慣れてきたものの、周りには「知った人もおらん」と孤独感もある。気になるのは60年以上を過ごした故郷。「向こうにどれだけの人が戻るんか…」。たとえ戻れても交通手段がなく、この先の不安は尽きない。
県の担当者は、退去期限について「時期を明示することで、退去後の暮らしを考えてもらいたかった。退去を促しているわけではない」と説明。意向確認票にも、工事業者が確保できず、修理完了の見通しが立たない場合は「県に連絡してください」とある。「すぐに修理できない事情は十分に理解している。そうした状況を伝えてもらったら、延長できるかどうか国と協議したい」と話した。
ホテルや旅館に滞在する被災者もいる。県によると、入居期限は8月末まで。仮設住宅の完成時期に合わせ、災害救助法に基づき期限は1カ月ごと延長されてきたが、9月以降の延長の見通しは立っていない。東京新聞 2024年8月17日 19時14分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/348101
引用元: ・自宅半壊の被災者が迫られる選択 能登地震、数百万円かけ修理か否か 「みなし仮設住宅」退去期限が近づく [蚤の市★]
息子は50代?
息子の家で暮せばいいのでは
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